宇宙ステーションと交信へ 神戸・西区の平野小
2002/11/27

 神戸市西区の市立平野小学校の児童らが来年二月、約四百キロの上空を飛ぶ国際宇宙ステーション(ISS)と無線交信することが決まった。兵庫県内の学校では初の試みで、同小OBのアマチュア無線家が仲介し、米国の国際宇宙ステーションアマ無線局(ARISS)が承認。日程調整に入っている。同校は「運動場に大きなかがり火をたいて、乗組員に合図したい」と夢を膨らませている。

(津谷治英)

 橋渡ししたのは同区の自営業田中一吉さん(40)。二十四年前から無線を始め、日本アマチュア無線連盟の兵庫県支部長を務めている。

 無線を通じ、科学への関心を高めてきた田中さ

んは、近年の小学生の理科離れを懸念。ラジオ組み立て教室を仲間と開くなど、子どもたちが科学に興味を持つ機会を提供してきた。

 宇宙との無線交信もその一環。母校の平野小に提案し、ARISSとの交渉に尽力した。

 同ステーションは一九九八年に着工。日本をはじめ欧米など十五カ国が参加し、二〇〇六年完成を目指している。数人の宇宙飛行士が数カ月交代で滞在。無重力状態での実験をしながら、作業に従事している。

 九十分で地球を一周。日本上空を通過する際、平野小と交信する。

 実際に無線マイクに向かう五、六年生は「宇宙食ってどんな味」「長い間、宇宙にいてホームシックにならないの」などの質問を考えている。会話は英語で、現在は外部から講師を招いて英語学習に熱を入れている。

 五年生の田中愛子さん(10)は「星には前から興味があって、いくつか名前も覚えた。宇宙ステーションと話せるなんて夢のよう」と今から目を輝かせている。

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