4.会場レイアウト
執筆担当 7M2MJM 江成 均
2001.11.23(金)ARISS計画記録集
JK1ZAM:入間市児童センター無線クラブ
会場レイアウトは、INETやパケット通信のメールでのやり取り、またミーティングでは図面やスケッチをもとに事前検討を行っていました。しかし、実際にセットしてみると「これではおかしいぞ」、「いや、やはりこのほうが…」とはじまり、結局最終的なレイアウト決定は当日の夕刻でした。

最終レイアウト図
1)会場の決定とその特徴
入間市児童センターの2階には無線室があります。当初はこの無線室での運用をイメージしていましたが、ARISS計画が具体化するにつれ、来客者を迎えるにはこの無線室では狭すぎることが明らかになり、1階の展示ホールで行うことになりました。
この展示ホールの天井は吹抜状になっており、屋上に通じる可動トップライト(明り取り)があり、この可動トップライトが屋上のISS交信用に設置したアンテナから無線機につながる同軸ケーブルを引込むのに好都合でした。また3台のプロジェクターとTVモニターを導入しビジュアルにISSとの交信模様を来場者に伝えた今回の会場でしたが、高さのある正面壁は、多用したビジュアル設備の映写場所や大型ポスターによる展示を可能にし、イベントの雰囲気づくりに役だちました。プロジェクターの映写場所は、可能な限り白い紙を貼っています。さらに、2階の開放廊下や螺旋階段は観客にとっても立体的な視点の確保に貢献していました。
2)交信オペレーション机の方向
交信オペレーション机の方向はいろいろ議論がありました。当初の検討は、子供オペレーターを来客者の正面に向ける案、逆に子供達は来客者に背中を向け交信する案の2つがありました。
つまり、正面を向く案では交信する子供達の表情が良く来客者から見えるが、無線をオペレーションする子供達の緊張度は上がり、無線機も後ろの配線ばかりが目立つ。一方、背を向ける案では、無線オペレーション自体を見てもらう案となり、子供の緊張も緩和されるが、子供達の表情は見えない。JK1ZAMでは公開運用を行うことが年間に何回かあります。これと同じような議論をすることがこれまでも何度かありました。
しかし、多数の報道陣を含む来客者を向える今回のイベントでは、交信する子供達の表情は見せたいし、緊張感は緩和させたいとの考えを両立させることが求められました。その結果、最終的に交信オペレーション机は来客者からすると横を向く案に落ち着きました。
さらに職員児童センター職員の佐藤氏のアイデアで、子供達の顔が自然に来客者の方に少しでも向くようにと、机に対し椅子は少々斜めにガムテープで床に固定しました。
3)スクリーン壁
会場の展示ホールは、玄関の前方に広がる開口部の多くある明るい大空間。このスペースを中心に、この児童センターの機能が広がる設計の建築となっていました。しかしイベント会場として考えると、落ち着きのない空間と言えます。
そこで子供達の緊張度の高まり抑制を期待し、移動式の展示パネルを利用したスクリーン壁を玄関部分とプラネタ室前の2箇所に設置しました。これらは無駄な視線をカットし、イベント会場の空間を引締めるとともに本来の展示パネルとしても多いに役立ちました。
