2.プレゼンテーション
執筆担当 JG1CJQ 鈴木 正弘
2001.11.23(金)ARISS計画記録集
JK1ZAM:入間市児童センター無線クラブ
アマチュア無線の交信風景というと、ともすると無線機とマイクを握ったオペレーターだけの寂しい風景になりがちです、しかし今回は「日本で最初のISSとの直接交信」ということを一般のかたに理解してもらう必要を感じていました。
1)展示ポスター
江成さん(7M2MJM)作成の大型ポスターを正面と周囲のパネルに展示しました。
2)ISS(国際宇宙ステーション)軌道表示
ISSの軌道を表示すれば、より解りやすいので、軌道表示ソフト「WinObit」使用し液晶プロジュクターでホール正面の上部壁面に投影しました。
交信開始時刻が近づくにつれてISSがインド洋から日本に向かってくるのが解ります。そして22時31分ISSが九州上空にさしかかったまさにその時ISSカルバートソン船長のコールが聞こえ始めました。これは鈴木(JG1CJQ)が担当しました。
3) 交信内容の表示
今回の交信は質問する子供たちにとっては慣れない英語による一問一答形式となります。回答も英語なので、来場者の中で英語が判るかたは問題ありませんが、そうでない方にも交信内容が判る方法を検討しました。
プレゼンテーションソフト「Power Point」を使用して質問の内容を壁面に投影することになりました。質問は日本語と英語で表示することはすぐにきまりました、これは上野さん(7N3OSS)が担当しました。
「回答」のほうはいろいろの案が出ました。まず通訳ができる人を探すことです、これは入間市AETのチャールズ.・ギルフォード先生と狭山市柏原中学校の三上先生にお願いすることになりました。同時通訳して会場に流す案も有りましたが、同時通訳はその技術が無いとできないことと、たとえその技術をお持ちのかたであっても、同時通訳は交信の妨げになる恐れが有りNGとなりました。次に「表示した質問の下」に回答を日本語で表示する案が出されました、これは交信時間が10分という限られた時間であり、通訳者に慣れないソフトの操作を強いるのは避けようということで取りやめとなりました。
結局、質問とは別の表示にすることとなりました、ISSからの回答を即時日本語にしそれをワープロソフトを使用して表示することになりました。当日はぶっつけ本番になりましたが、三上先生とAETの先生には大奮闘していただき次々に船長の回答が日本語で表示されました。
こうして子供達の質問が向かって左側に、日本語にしたISSの回答が右側に表示することができました。
4)交信前の式典
順序が逆になりますが交信前には2名の女性司会者(天野さん、星野さん)によるセレモニー、ISS、ARISSの説明、交信する子供達の紹介にも「Power Point」による表示が行われました。これも上野さん(7N3OSS)が担当しました、交信直前までの準備されていました。
準備日・当日と児童センター備品の液晶プロジェクターを出しましたが上部照明に押され投影が見えにくいものでした。そこでボランティアの皆さんが関係先から無償で3台借りてくることになりました、こうして液晶プロジェクターを3台使用する体制が可能となりました、もし用意できない場合は大きな紙に交信内容を書き出す事も考えました。ISSの軌道、質問、回答のそれぞれがビジュアル表示され効果的なものになったと思います。
5)ISS追尾アンテナのモニター画像
ISSを自動追尾するアンテナはホール屋上に設置してありますので、ホールからその動きを直接見ることができません、そこでビデオカメラとホールのモニターを接続して追尾する様子を見ていただこうと考えました。当初はケーブルでの接続を検討しましたが20m以上の長さがあり無理であることが判明しました、そこで入間市アマチュア無線クラブ(JJ1ZWF)の協力を得て、ATV(アマチュアテレビ)をやっている須崎さん(JF1VCE)と猪鼻さん(JH1RZW)が、送受信装置一式を持参して、追尾しているアンテナ画像を1200Mhz帯の周波数で中継してくれることになりました。
ライトアップしたアンテナ画像がホールのモニターに映す出されこれも効果的でした。また画像を納めていたとのことでVTRテープも貸していただき、MPEGファイルに変換してインターネットで公開しています。
当日はJJ1ZWFの会長松井さん(JR1EMO)、樋口さん(JA1BFY)をはじめメンバーの方々が多数参加して、このATV中継の準備と調整にご協力いただきました。