1.「オペレーターと私」:寄稿文
入間市児童センター無線クラブ部長 JR1JMJ 小林 士郎
2001.11.23(金)ARISS計画記録集
JK1ZAM:入間市児童センター無線クラブ
<19:00> 筆者とOP達
直前になって当初の交信予定日21日から、予備日とされていた今日、23日に変更になるという慌しさもあった。でもついに交信当日になった。昼間の14時から始まった、準備もほぼ終っている。今日は勤労感謝の日の祭日で児童センターも休館日だ。そのため準備作業も落ち着いて出来た。また小中学生の子供達は明日が第4土曜日で学校が休みだ。その上、交信の開始時間も30分早まりかえって良かった。児童センター職員の佐藤さんはこの変更で大変だったと思うが、「災い転じて福」的な今日への変更だった。
記録写真を撮る西沢(勉)さんがきた。塚原さんと音響関係の準備をしていた、右近さんが無線室で最後のハンダ付けをしている。18時ごろには、センターで準備してくれたおにぎりやサンドイッチ、鈴木さんの差し入れのミカンなどで、腹ごしらえもすませた。センターの職員の人達も制服に着替えて待ち構えている。すでにお見えになったお客さんもいる。3台に増えたプロジェクターの調整を鈴木さんと佐藤さんがやっている。司会の天野さん星野さんのリハーサルも終わり、上野さんはリハーサルで気の付いた説明用データの最終修正をするそうだ。江成さんも記録用ビデオの三脚位置を確保した。
20時過ぎ、各担当の準備も一段落だ。安田さんから今日の飛行コースなどの説明がある。宇宙船の飛んで来る方向と抜けていく方向をレーザーポインタの赤い光の点で会場の天井に描く。ボランティアのメンバーもイスに座って天井を見上げて聞いている。今は熱気の前の静寂といった感じの落ち着いた雰囲気がただよっている。
OP(オペレーター:交信者)のメンバーは21時の集合予定だが小室君が早くもセンターにやって来ている。横倉君も来たので、今日の交信では時間の節約のために質問の形式を変え内容を簡単にしたことなどを説明する。坂本(岳)君が来た。「おじさん、すごく緊張しています」とその緊張をかくさない。でもテーブルのおにぎりとサンドイッチを元気に食べている。平井君もお父さんと来た。彼には正式のカンペ(通称カンニングペーパー、各人の質問が英文で書いてある)を見せるのが初めてだ。すると「イギリス育ちなので英語は大丈夫です」といっていた、今回のメンバーで一番英語に心配の無い彼が、「このままではしゃべれないので直してもいいですか」という。文章がネイティブなニュアンスとは少し違うのかもしれない。聞いている飛行士もわかりやすい筈だと考えて、余り長くならなければ良いよと話す。

中学生が一人、熱があるということで残念ながら欠席になった。その他のOPは集まった。全員が揃ったOP控室は熱気であふれ返っている。みんなが集まったところで、以前読んだことのある「初めてって??」のプリントを読んで、「みんなはこれからその初めてをやりまーす」とさけぶ。OP達に緊張していますかー?と聞くとうなずく。「みんなが緊張しているから平気だヨ」、とわけのわからない理屈を話す。でも今この場で緊張するなといっても無理な話だ、かえって上がってしまうだけだろう。
全員が一緒に集まっての説明はこれが初めてだ。コールサインは言わなくなったこと。「My name is」を「This is」と言うように変更したことなどを伝えながら、各々のカンペを差替える。
そこに今日の交信をリードする江成君が「みんな上がっているー?」と部屋に入ってきた。上がることを止めるオマジナイをやるという。長々と彼の説明が続きなかなかそのオマジナイが始まらない。「それじゃー」と言って突然、彼は両手を頭の上の方に挙げて、両足も蟹股に開いて何か一声、大きな奇声を発した。オペレーターたちは大笑いをしている。「よけい上がちゃう」という声も聞こえる。江成君はその一発芸をやってくれて引き上げていく。今日の交信ではMC(マイクコントロール)という一番重要な役をする江成君だ。彼は自分の上がるのを止めるためにも、あのオマジナイをしに来てくれたのだろう。
その後全員で会場の無線機の前に行き、ジャックを抜いたマイクに向かって交信の仕方や並び方の練習してから控室に戻る。
上野さんが来て「小林さんソワソワしてるでしょ」と話しかけられる。あやふやに言葉を返す。でも本当はこの少し前から何かソワソワした気持になっていた。私の気持ちを上野さんに見透かされた感じがした。でも上野さんや他のボランティアメンバーも、OP達や私と同じようにソワソワしているだろと考えると、少し気持ちが落ち着いたような気がした。
通訳をしてくれるAETのギルフォード先生らしい人が来ている。先生に控室に来てもらう。OP達の質問を聞いてもらうことを頼むと気軽にOKしてくれる。
みんなに「ハーイ船長さんが来たので質問の練習をするよー」と告げる。ハンディー機をマイク代わりに、交信の順番にしたがってギルフォードさんに向かってOPが質問をする。先生は各OPの英語を聞いて、時に「ハッキリと」とか、「ユックリ」とか、「大きい声で」などと適切な注意をしてくれる。「ワンス モアー プリーズ」と言われたらもう一度だ。「グッド」や「グッド ジョブ」と言われたら合格で次の人に交替していく。みんな上手に発音している「エクセレント」と言われるOPもいる。平井くんの英語に先生は、小さな声で「パーフェクト」と一言。最後の「オーバー」(どうぞ)をまだ忘れるOPがいるので、「こちらからオーバーを送ってあげないと船長さんが答えられないヨー」と注意し、この練習を繰り返す。
今回の質問では一番難しい発音だろう。関口さんがする獅子座流星群「Leonid meteor storm」の発音も、「リオニード」、「ミティオル」、「ストーム」と何度もゆっくりと発音して教えてくれる。私が部屋を出ている間に、英文も最後の「look like」はいらないと直してくれたそうだ。市川君も「カンファタブル」がどうも発音しにくそうだ。今日ここで苦戦したOP達はその苦労した単語を一生忘れないだろう。
もう会場の説明が始まっているはずだ。21時45分をすぎた頃に会場の様子を見に出る。すると天野さんが「通訳の方の紹介をさせて頂きます。」と言っている、紹介するギルフォード先生が見えないし、もう一人のお願いしてある通訳者の三上先生もまだ来ていない。天野さんと星野さんがすこし困った様子をして目で探している。"シマッタ"ギルフォード先生は紹介のために会場に居なければいけないのだ。直ぐに戻ってもらおうかとも考えた。しかし"エイままよ!"天野さんには申し訳ないがオペレーター優先でいこうと決めて、先生には練習を続けてもらうことにする。"天野さん星野さんゴメンナサイ。"
それにしても進行の時間が違う、随分と早いのだ。頭が混乱しだした。進行がある程度遅くなることは事前に想定していた、でもこんなに早く進行することは考えていなかったのだ。OP紹介のために控室を出るタイミングは、宇宙飛行士を紹介するあたりと決めてあった。山口さんにそのタイミングの連絡を頼む。「358で連絡しましょうか?」と山口さん。「ハンディー機はマイクのかわりに使っているのだ」と私。山口さんには何を言っているのだか分からなかったかもしれない。入間市の郵便番号が358なので我々は433.58MHzの周波数を連絡用に使うことがある。今日もボランティア間の連絡はハンディー機を使いこの周波数「サン ゴッ パ」ですることを決めていたのだ。山口さんが出番だと連絡にきた。小学生からの紹介される順番にOPが部屋の前に並ぶ。池田OPが「足がガクガクしています。どうしたらいいですか?」と聞いてくる。「みんなも同じだから平気だヨ」とこればかりだ。頼りない先導者である。
会場に出ていくがどうも進行時間の狂いが頭の中で修正できない。河野さんと右近(美)さんにも一緒に子供についてもらっている。河野さんの持っている司会進行の台本を受けとって、書込んである時間を見るのだがまだ時間の修正計算できない。"これはいかん俺は上がっているゾ"と自覚する。正面に並んだOP達の紹介が終わって控室に戻る時、塚原さんから「横倉君がISSの動きを見たいので、ノートより小さい自分のブックパソコン(?)を、音響装置机の脇に置きたいといってきている。どうしますか?」と聞かれた。ISS云々の意味がよく理解できなかったが、交信に集中してもらうために横倉君に向かって「ダメー」という。塚原さんが「申し出は却下されました。」と彼に伝えている。今日センターに来てからも控室で小室君と2人、小さなパソコンでPCゲームらしき物をやっていたし、カンペの質問も覚えてきたのでいらないと言っていた。OPの中には私とは違い、余裕のメンバーも居るわけだ。交信が終わってから本人にそのパソコンのことを聞くと、会場に表示されていたようなISSの軌跡を表示するトラッキング・ソフトが入っていたのだそうだ。
勤めを終えて駆けつけたもう一人のカメラマン市川さんが、あんなに前に立たれたのでは写真が撮れないという。確かに見るとカメラマンがこれより前には出ないようにと、会場の床に貼った赤いテープの前に黒山状態だ。報道のプロカメラマンのことだ、言っても聞かないだろうと思ったが、天野さんに注意のアナウンスをしてもらう。仕方なく市川さんは後ろの脚立の上からカメラを構えている。
控室にもどってからしばらくして、会場の様子を再び見に出ると見学者も大分増えている。すると鈴木さんが何か話している。「ア!」何か会場から質問が出たのかな?打合せでは私も一緒に質問の答をすることになっていたのだ。でも様子は余ってしまった交信までの時間を繋いでいてくれている雰囲気なので、そのまま部屋にもどる。
誰かが「ノドが乾いちゃった」という。そうだOP達に何か飲ませてあげないと。河野さんに事務室に何か飲み物があるかを聞きに行ってもらう。センター職員の諸原さんがコーラを持ってきてくれる。あまり飲みすぎてもいけないと思ったので、「ハーイコップに半分だけー、あとは戻ってきてからー」とさけぶが、なみなみついで一気に飲んでしまう子もいる。何分前になったら出ようかと考える、五分前では遅いし、あまり早く出てもOPが緊張するといけないし(自分の緊張かもしれない)。"8分前にしよう。"OP達はワイワイ話している。時間が進まないジリジリする。10分前を過ぎた。「ハーイ、出て行くよー、船長さんにワンスモアーと言われないようにシッカリ話そうねー」出番だ。
今度は交信の順番に列をつくる。小学生OPはドキドキしていますと言いに来る。会場に出ていく。イヨイヨだ!!イザ出陣(古過ぎるが)
交信の順番は澤田OPがトップバッターだ。基本的に一順目は低学年から高学年へとして、できれば自分の考えた質問を本人ができるように、というのが考え方だ。しかし1番打者は中学1年の澤田OPに自分の考えた質問をしてもらう。彼女は経験も長いしガンバリ屋さんだ、一番緊張して大変な最初の交信をしてもらうことにした。2番打者は英語に心配のない小学6年の平井OPにした。そしてもし当日欠席者が出た場合は、平井OPか高校3年安田(慎)OPに入ってもらう。それで他のOP達の交信順番は変更しないようにしておいた。今日は欠席した部員に代って一昨日だとダメだったが、今日は参加出来た高校1年安田(愛)OPに入ってもらった。
1分前。澤田OPも無線機の前に座り、他のOPも順番に待機のイスに座た。
時間だ。混信の音声が入っているらしい。江成MCがISSにコールを送る。「JK1・・」と応答があった。繋がった!!
思わず、会場から拍手とどよめきが起こる。大急ぎでお客さんに向かって、静かにと手で制する。会場のお客さんは直ぐ静かになってくれる。
江成MCのスタートメッセージが続く。江成MCの「話して」の合図で、澤田OPの発信が始まる。
「This is Eriko.」
「Why did you want to become an astronaut? Over!」
落ち着いてハッキリとした英語だ。「オーバー」を送ると、船長からの応答が返ってきた。日本初のISSとのコンタクトに成功した!!。でもJK1ZAMとしてはここまでではただの成功だ。OP全員が宇宙飛行士と交信に成功して、はじめて大成功なのだ。素早く澤田OPと交替した2番手平井OPの流暢な英語も発信された。
安田さんがこちらを見て、「ヨシこれならいける!」と親指を立てる。私もOKを指で作って返す。この時"安田さんの親指はアメリカ的で、俺のOKマークは日本的だな"と全く関係のない事が頭を横切る。人間はこんな一瞬にも変なことを考えるものだ。
次の元気だが緊張をかくさなかった3番手、坂本(岳)OPも大丈夫だ。練習では少し声の小さかった安田(愛)OPの声もハッキリと聞こえてくる。いつも少し心配そうな宇都OPも落ち着いた感じでオーバーを送った。フランク船長からも応答とオーバーが次々に返ってきている。
坂本(玲)OPだ、彼は少し前に事故にあい、右手が包帯で吊った不自由な姿だ。普段の話し方が少し静かだ、でも交信する時の会話はハッキリとしている。ヤッパリ無線経験の長さか。最年少の小学5年池田OPが自分の考えた質問を発信する。関口OP、例のリオニード ・・・、獅子座流星群の質問だ。発音も上手くいった。私には応答の意味が分からなかった。船長の長い答えの内容が興味ある。
(この文を書いていて思いついた。フランク船長は世界で初めて獅子座流星群を上から見た。関口OPも宇宙飛行士に獅子座流星群のことを世界で初めて、質問したのかもしれない!!多分将来この質問は本にも載るだろう。)
中学生OPまで来た。頭のすぐ上に投影されているISSの軌跡画像を何度も見上げる。日本にかぶさって移動している交信範囲のサークルと、後ろに並んで待機しているOP達があと何人と何度も見比べる。ISSの軌跡の下に書き出されている、三上先生が翻訳して書きこんでくれている文字がほとんど目に入らない。相変わらず頭の中で時間経過の計算も出来ていない。いつも関口OPと一緒なので私が名前を取り違えてしまうことがある杉永OPも、ユックリ、ハッキリと発音している。安田(睦)OPは中学生OPの最後だ。無事に発信し応答が来る。順調に交信が進んでいる。
このARISS計画のために1つ上級の3級無線技師の資格を取った小室OPだ。やっと高校生OPまで来た。彼は計画が始まった最初の頃にこの話しを聞いた部員の一人だ。その頃は「僕は英語だけは苦手です」と言っていた。でも今日は落ち着いて英語を話している。
時計を見る、まだ五分ぐらいはある。ヨシ,ヨシこれなら一順目までは間違いない。ヤット少しホッとした気分になる。
市川OPの「Comfortable」も少し言いつかえたが発信した。横倉OPは質問を終わってスイっと戻って行く。ついに最後の一人まできた、14番目の安田(慎)OPだ。まだ時間も残っている。ハッキリとした声で発信した。二順目の澤田OPと交替しようとしていると、「ワンスモアー」が返ってきたらしい。安田さんと江成MCがもう一度、もう一度と安田(慎)OPに指示する。今回の交信で始めての「ワンスモアー」だ。2度目の発信をするが又ダメらしい、3度目をISSに送っている。"エー!!!、それはないぜー、もう電波の状態が落ちてきて、ダメなのかヨー"無線機を見る。船長からハッキリした応答が返ってきた。二順目のトップの澤田OPに交替した、今度は1回で応答が返ってきた。彼女の声の方が船長に聞き易いのだろうか。
"ヨーシ、ヨシヨシ!!全員に回ったゾ!!!"大成功だ。肩の力がフーと抜けた感じがする。次の坂本(岳)OPを横目に交信の終わった安田OPの所へ行く。両腕を交差させるバッテンをして見せた。「ワンスモアー」を貰ったヨ、という意味でだ。最初は怪訝な顔をした安田君も意味を理解したのだろう、ニヤッと笑う。でもこの動作は当日会場で見学していた人から後で質問が出た。「何か間違ったのかな?安田君が失敗したみたいだった」と。確かに会場で見学していた事情を知らない人達には、私のこの動作は奇異に見えたかも知れない。反省している。せめて他の人達には見えないように、両手の指を交差させる小さなバッテンぐらいにするべきであった。でもそんな悪ふざけが出来るほど、一度に緊張がとけていたのだ。「安田(慎)OPよ許せ!」
二順目2番手の坂本(岳)OPにも「ワンスモアー」が1回返っている。でも船長の応答がある。3番目小室OPの長い質問も通った。通算で17問目だ。"オイ、オイ待てよ、このまま行けばパーフェクト交信になるじゃないか!"18問目「ミルクとステーキ」の質問だ。平井OPの流暢な英語で発信された。私も興味があったのでもっと先に質問できないかなと思っていた質問だ。船長がアイスクリームと言っているのが聞き取れる。"ヨシあと2人になった、行け行け"19問目、池田OPが次のオヤツの質問をした、でも船長には通っていないらしい。ついに安田さんからファイナルを送る指示が出た。江成MCがファイナルのメッセージを送っている。池田OPと交替しようと立ちあがっている最後の質問者、坂本(玲)OPにもう交替しなくてもいいよと、手で制する。安田さんの終わったと言う声と、短いザーという雑音が聞こえたと思う。
すかさず私は、会場に向かって拍手をした。
今年の初めにアメリカの小学校とISSの交信風景を記録したCD画像をを見た。その時に子供達の質問が終わり、女の人(校長先生)が話している最中にザーとノイズが入って、一瞬の間があいてから拍手がわき起こる。成功したしるしだ。この光景が頭にすり込まれていた。我々もこの成功の拍手を目指してきたのだ。実はこの最初の拍手を私は狙っていた。マイクのそばの絶好のロケーションにいて、安田さんや江成MCと違い私は手が空いているのだ。ファイナルが始まってから拍手をするタイミングを覗っていたのだ。会場に居た目撃者に聞いてみた「始めに拍手したみたいヨ」と頼りない証言だ。でも日本で初めてのISSとの交信成功に、世界で初めて拍手したと自分勝手に決めた。(人類の進歩には何も貢献しない初めてだが・・・)
続いて会場全体から拍手の嵐だ。文字道理の歓喜と感動が押し寄せる。こんな感動を味わうのは何年振りだろう。子供達と次々に握手をして回る。天野さん河野さん星野さん達女性には「アメリカだと抱き合うんだけど」と馬鹿なことを言いながら握手して回る。市長が握手に来てくれた。今日始めて市長を目にした。つまり今までは会場のお客さんが目に入っていなかったのだ。
引続きの写真撮影と何回ものバンザイ。子供達は記者会見にもシッカリと答えている。彼等も本当に感動し、喜んでいるだろう。
"このARISS計画をやって良かったー。"という思いが改めて湧きあがってくる。
興奮が一段落して、オペレーター全員が控え室に集まった。約束の残り半分のコーラで乾杯だ。
子供達は一生誇れる「初めて」を成功させたのだ。バンザイだ!!!
こうしてソワソワ,ドキドキ、そして歓喜!! 心地良い疲れを残して私の2001年11月23日が終わった。
準備の過程では作業が徐々に完成していく喜びもありました。でも色々と苦労したボランティアメンバーもいたと思います。しかしこの大成功の歓喜と感動に、苦労の全てが押し流されたと感じていることだろうと思います。
また折角今回の成功で得たISSとの交信技術です。第三者通信(免許取得者が一緒にいれば免許がなくても交信できる。)も許されるかもしれないと言う話もあるようです。今後さらに多くの子供達が宇宙飛行士と直接話をするという、感動を得られるように是非再度のコンタクトに挑戦してみたいと考えています。次は「日本初」ではない代りに、こんな大騒ぎにはならない落ち着いた交信が楽しめるでしょう。
この大きな感動を与えてくれた子供達と安田さん。さらに入間市児童センターの開館時に、無線クラブを作ることに多大な努力された冨田満博さん(JA6FXD)、佐藤修さん(JG1CBS)、田島建久さん(JA1XFA)他の緒先輩。入間市アマチュア無線クラブ(JJ1ZWF)の皆さん。ローテーター制御に使う、多量の信号線を寄贈して頂いた島村さん(JA1EZC)。また関係機関や報道関係との調整を一手に引き受けて頂いたセンターの佐藤さんと、職員の皆さん。市の関係者の方々。さらに全ての面でのサポートに当たってくれた、我等が入間市児童センター無線クラブ(JK1ZAM)の素晴らしいプロ集団・ボランティアメンバーの皆さんに、心からお礼を申し上げます。
最後に、準備段階では大活躍しながら以前からの予定で、当日どうしても参加することが出来なかった滝澤さん、そして西澤(茂)さん。丁度、中国出張が重なってしまった石井さん。伊豆大島在住の宮川さん。参加出来ずにさぞ残念だっただろうと思います。皆さんのお陰で大成功でした。ありがとうございました。
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「初めてって??」
1)アメリカのライト兄弟は1903年12月、世界で初めて
飛行機で空を36メートル飛んだ。
2)宇宙飛行士のアームストロングは1969年7月、人類で初めて
アポロ11号に乗って月面に立った。
3)日本の高橋尚子は2001年9月、ベルリン・マラソンで初めて
世界最高記録の2時間19分46秒で走り優勝した。
4)JK1ZAMは2001年11月、日本で初めて
400キロ上空をまわるISSの宇宙飛行士とアマチュア無線で交信する。
いろいろな初めてがあります。どの初めてもそれまでは出来なかったことが
出来た時です。初めては人々がそれまでにやることが出来たこと(能力という)
を超えた時です。これらの沢山の初めてが人類を進歩させることがあります。
だから初めてはスゴイくて素晴らしいのです。
私達のZAMでは皆でそれをやろうとしています。そしてこの宇宙飛行士フラ
ンク・カルバートソンさんと交信するという初めては、入間市児童センター無
線クラブの無線従事者免許証を持っている、君達アマチュア無線技士にしかす
ることの出来ない初めてなのです。 ネ、すごいでしょ!!!
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